上工・中工・下工

《黄帝内経 霊枢》に「上工・中工・下工」というのが出てきます。

ここで使われる「上工」とは皮膚の色や脈の診察を総合して診断・施術する者は、上工。

「中・下工」は脈や皮膚のうち、二つや一つだけの情報から診断・施術する者は、中工、下工。

というように、治療家としての技量のレベルを段階で言っています。もちろん「上」がベテランということになるでしょう。


これを勉強会で先輩が言うには、

「上工」は国を治す

「中工」は人を治す

「下工」は症状を治す


下工は、症状だけとりあえず治める対症療法をする。

中工は、再発しないように生活習慣も指導する。

上工は、国の制度上出来る事が限られるので、国をも動かし治す。です。


ここでは、上中下が優秀とか下手とかいう意味でなく、治療家目線でいうと、何をどこまで治すかという事です。対症療法だけでも、難しい疾患は効果を出すのが大変な場合もあります。


ただ、患者目線でいうと、病になれば対症療法でとどまらず、完治を目指したいと思いますし、更に病を完治するにとどまらず、よりよい人生を送りたいと思う。病が重篤であればあるほど広く人生にまで考えが及びます。

最終的なよりよい人生を…となると、これは治療家に任せることではない事が分かります。

患者である自分が主体的に動くことが重要になってきます。


下工は治療家に治療してもらう→受動的なことが多い。(対症療法も自分で治す方もいる)

中工は指導を仰ぎながら、生活習慣を変える。→受動+主体的行動

上工は自分という国(人生)を動かす→主体的行動


私は治療者でありますが、健全健康優良人ってことではありませんので、患者目線は自分にもいえる事です。

自分が患う病は自分だけのものです。治療家を選ぶのも自分主体。と考えると、自分自身が下工であり中工であり上工でもあります。

病を完治させ、よりよい人生をと思われる方は是非、主体性をもって、色んなものを選び取っていかれると良いと思います(^^♪

























はり・きゅう慶心堂

東洋医学 女性のための治療室

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